
ハナちゃんがひとしきり文句を言ったら、おかーちゃんが反論してきた。
「だって、ハナちゃんとおとーちゃんは食べるのが早いでしょ。見張ってないとハナちゃんは、夏芽ちゃんのごはんまで食べちゃうじゃない。いっしょのテーブルにしたら、どうなると思う?ハナちゃんとおとーちゃんは、さっさと自分の分を食べて、おかーちゃんと夏芽ちゃんのごはんをねらうでしょ。そーなったら、おかーちゃんは自分の分と夏芽ちゃんの分を守らなきゃならないのよ。ハナちゃん、毎食ごとにおかーちゃんとごはんの取り合いしたいのぉ?」
おかーちゃんはキバを光らせながらハナちゃんに詰め寄った。
「そ、そんな恐ろしいことできないよ。おかーちゃんを敵にまわすなんて。でもぉ、でもぉ、、、」
「じゃあ、こうしましょ。おとーちゃんとハナちゃんは、そっち側。おかーちゃんと夏芽ちゃんは、こっち側。線を引くから、こっちには入ってこないでね。すこしでも侵入してきたらハナちゃんの肉球たべるわよ!」
夏芽ちゃんは思った。
「はあ、このおうちは精神年齢が低いわ。テーブルに線を引くなんて小さい子のやることよ。おかーちゃん、年いくつ?」
ハナちゃんは夏芽ちゃんのしっぽを引っ張って警告した。
「夏芽ちゃん、地雷を踏まないようにね、、、」
「そ、そうね。おかーちゃん、テーブルに線を引きましょ!」
かくして白いテーブルには赤い線が引かれた。
「はみだしたら肉球よぉ、、、ひひひ、、、」
このおうちは暮れになってもホラーである、、、