
何日か前から、ハナちゃんの周りには、嗅いだことのない匂いが漂っていた。
甘〜くてトロけそうな香り。しかも、おかーちゃんがいるところからだけ。
ハナちゃんは、1日中クンクンしまくって匂いの正体を突き止めた。
おかーちゃんは、ハナちゃんに見つからないように、コソッと食べてたんだ!
お友達からもらったハワイのおみやげを!
「おかーちゃん!ハナちゃんの鼻をごまかせると思ってんの?」
「ん〜、ヨーグルトに入れたりしたらわかんないかなぁって思ってみたりしてぇ、、、」
「ふん、まだまだ若いな、、、修行が足りんよ。」
「何?おかーちゃん、若く見えるって?ハナちゃん、いいこと言ってくれるじゃん。半分あげる。」
「??? ケチのおかーちゃんが半分もくれるって?どうなってんだ?夏なのに雪が降るんじゃないの?」
翌日、ハナちゃんちの近くでは大雨が降ってマンホールから水が噴き出した。
おとーちゃんは、池のようになった水たまりで溺れそうになった。
「わたち、思うんだけど。ハナちゃん、おかーちゃんに珍しいことさせたらだめよ。周りに迷惑がかかるわ。おかーちゃん、フツーの人とちょっと違うから。」
それはわかってるけどね。ハナちゃんはハワイのおみやげが食べたかったんだ!
「だったら、おかーちゃんに見つからないようにいただく方法を考えましょ。わたち、毎日おかーちゃんのバッグをのぞいてお菓子があったらハナちゃんに教えるわ。でも、わたち歯がないから袋を開けるのはハナちゃんの役目よ。」
2ワン、盗み食いの分業体制を整えたようだ、、、