
おかーちゃんが、オリーブオイルを買ってきた。
「おかーちゃん、これ、ハナちゃんの名前が書いてある!」
「素敵でしょ。書いてもらったのよ。イタリア人のマリアさんという人がね、陶器のボトルにひとつひとつ絵を描いているの。それでね、ハナちゃんの写真を見せたら名前を入れてくれたのよ。」
「世界にただひとつのオリーブオイルだね♪」
「そうね。試飲させてもらったら、美味しかったの。ハンドクリームの代わりにもなるわよ。使い終わった瓶は再利用できるから、とってもエコだわ。」
そっか、これをつけるとハナちゃんは、ツルツルピカピカテカテカの美ワンになれるんだ!
ハナちゃんは、誰かが脇腹を突いているのに気がついた。
夏芽ちゃんだ。
「ハナちゃん、地雷をふんだみたいよ。おとーちゃん、そっぽ向いてるもん。」
大変だ、ごはんを減らされちゃう!
「お、おとーちゃん!ハナちゃんがツルツルピカピカテカテカになるんだよ。おとーちゃんじゃないよ。」
「ハナちゃん、ますます、まずいわ、、、おとーちゃん、ふくれちゃったわ。」
「お、おとーちゃん、おとーちゃんがツルツルピカピカテカテカじゃないってば!」
「ハ、ハナちゃん、おとーちゃんの顔が青くなってきたわ、、、」
夏芽ちゃんは、ハナちゃんのシッポを引っ張って、おとーちゃんから引き離した。
「う、うえ〜〜〜ん!!!!ハナがいじめたぁぁぁ!!!」
可愛そうになった夏芽ちゃんは、おとーちゃんの頭をなでてあげた。
「あら、ほんとにツルツルピカピカテカテカだわ、、、」夏芽ちゃんは思わずつぶやいた。
「う、うえ〜〜〜ん!!!!夏芽にもいじめられたぁぁぁ!!!みんなおとーちゃんのことがキライなんだぁぁぁ!!!」
もうすぐ秋、今年は孤独の秋を過ごすことになりそうなおとーちゃんである、、、