
今日は寒いなあ。
ハナちゃん、朝から毛布にもぐって夏芽ちゃんとぬくぬくしてるよ。
最近は雨が多いね。
うちにはね、“ナメさん”って呼ばれている、雨になると出てくる子がいるんだ。
ナメさんは、神出鬼没で、いつもおかーちゃんを驚かせているんだ。
おかーちゃんが悲鳴と同時におとーちゃんを呼ぶときは、だいたいナメさんと遭遇した時さ。
昨夜もね、おとーちゃんっっ!って叫び声が聞こえたんだ。
でも最近、塩、しお、シオって言わないなって思ったら、この前、ナメさんの声を聞いちゃったからなんだってさ。
「おかーちゃん、ナメさん、何て言ってたの?」
「目が合ったのよ。そしたら、その子、触角を動かして、“しまった・・・”って言ったのよ。」
「それでどうしたの?」
「仕方ないから、見て見ぬふりをしたわよ。ほっといたら5分後にはどこかに行ってしまってたわ。」
「おかーちゃん、最近いろんな子に話しかけられるね。このあいだはカラスさんでしょ。」
「明治神宮で会った子ね。話し相手になってくれたわ。」
このところ、おかーちゃんのアンテナは、ビヨ〜んと自由に動いているらしい。
まるで、ナメさんみたいだね。
今度から、おかーちゃんのこと、ナメさんって呼ぼうかな、、、って言ったら、夏芽ちゃんに尻尾を踏んづけられた。
「ハナちゃん、それ、今までで最大の地雷よ・・・」
たいへんだ、ご飯を減らされるくらいじゃすまないところだった。
ハナちゃん、危機一髪を回避した、、、