
おかーちゃんが勝手に師匠と呼んでいる、上手すぎる大工の三村さんがやってきた。
メールをもらったのは2日前、おとーちゃんとおかーちゃんは直してもらう箇所を探したが、見当たらない。
「仕事が完璧なのよね。手直してもらうところがないわ」
三村さんは頼まれたベニヤを2枚貼り、帰って行った。
おかーちゃんが仕事中の三村さんに張り付いたのは言うまでもない。
ドライバーの使い方からベニア板の切り方まで目を皿のようにして見つめ、質問しまくっていた。
「おかーちゃん、三村さん仕事しにくいよ。うざいんじゃない?」
ハナちゃんが言っても、おかーちゃんはそんなのどこ吹く風だ。
仕事が終わった三村さんに、おかーちゃんは自分の作品を見せた。
《配線隠しのミニ棚》と《釘が見えないタボ切りの引き出し》だ。
三村さんはいつものようにアドバイスをしてくれた。
「ノコギリを別の方法から入れるといいですよ。」
おお〜〜〜!!!
またもやおかーちゃんの目からウロコがボロボロ落ちた。
これでまた木工仕事に拍車がかかるな。ホームセンター通いの再開だ。
おとーちゃん、木材運びと運転手、御苦労さん。