
買い物から帰ってきたおかーちゃんは、日向ぼっこしているハナちゃんをじーっと見、おもむろに台所へと向かった。
何だろうと思っていたら、いつの間にか夏芽ちゃんのスカーフを巻いた大根が隣に寝ていた。
夏芽ちゃんは、ハナちゃんが知らない間に大根になってしまったのか。
今日の夕飯は、鶏肉と夏芽ちゃんの煮物だな、と思いながらまどろんでいたら、おかーちゃんがやってきた。
「おかーちゃん、夏芽ちゃんの煮物は美味しいのかな。ハナちゃんもそのうち食べられちゃうのかな」と聞いたら
「そうね、ハナちゃんの方が筋肉質だから、夏芽ちゃんより美味しいかも。メニュー変更しようかしら」とおかーちゃんが呟いた。
大変だ。食べられちゃうよ。逃げなきゃ! ハナちゃんは、慌ててコタツに隠れた。
そこへ、夏芽ちゃんがやってきて、おかーちゃんに聞いた。
「おかーちゃん、今日のごはん何?」
「鶏肉とハナちゃんの煮物よ」
「あら、美味しそう♡」
コタツ布団の端から覗くと、口から赤いヨダレを流した夏芽ちゃんとおかーちゃんがハナちゃんを狙っていた。
真冬の怪談、、、