
連休後半はいいお天気だった。暑くもなく、寒くもない。
こういう日はおとーちゃんを働かせるに限る、と思ったハナちゃんはおかーちゃんに提案をした。
「ねえ、おかーちゃん。超特大物置を断捨離したよね。跡地を畑にしたら?」
「あら、それいい考えね」
「ハナちゃん用の草、植えてくれない?」
「いいわよ」
おかーちゃんはのんびりテレビを見ているおとーちゃんを呼びに行った。
「おとーちゃーん♡ 畑作ってぇ〜」
「え〜と、今日はちょっと腰が痛いな」
動きたくないおとーちゃんは、一生懸命言い訳をした。
「それは太ももの筋肉が落ちてきたからね。クワで耕して、土をふるいにかけると足腰の鍛錬になるわよ。土に触れるとアーシングにもなるし。一石二鳥ね」
おとーちゃんはおかーちゃんに説得され、お庭用にと買ってもらった長靴を履いて、渋々お外に出た。
ドアの陰からコソッと見ていたハナちゃんはほくそ笑んだ。
「やった!“お庭レストラン、草食べ放題”の夢が叶う!」
ハナちゃんは大喜びだ。
「おとーちゃんがサボらないように現場監督をしなきゃ!」
汗拭き用の手ぬぐいを首に巻き、ハナちゃんは積み上げられた土の上に立った。
「おとーちゃん、ファイト! 頑張れ! 食べ放題が待っている!」
「さて、畑が出来たら何を植えようかしら」
おかーちゃんはハナちゃんとの約束をすっかり忘れている、、、