
ハナちゃんは、お呼ばれした。
「どーぞ❤️」
目の前出された苺は、ピカピカ輝いていた。
おお、我が家では滅多にお目にかかれない大粒のイチゴだ。全部頂くことにしよう。
待てよ、隣にバラの花があるじゃないか。おかーちゃんの好きな花だ。お土産にもらって帰ろうかな。
おかーちゃん、喜ぶだろうな。おやつ倍増は間違いないな。
そうだ。イチゴも少し持って行こう。これでおやつは4倍になるな。
ハナちゃんが考えている間に、いつの間にか苺は半分に減っていた。
夏芽ちゃんが食べてしまったのである。
「バラ、おみやげに頂いてもいいかしら? 包んでもらえる?」
気が付くと、夏芽ちゃんはバラの花束を背負っていた。
「おかーちゃん、きっと喜ぶわ。ナデナデ倍増は間違いないわ」
思ったと同時に行動する夏芽ちゃん、石橋を叩いてなかなか渡らないハナちゃん、見ているとかなり面白い。