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ハナちゃん日記♪ 保護犬ハナのつぶやき
3代目ダックスとして捨て犬ハナが我が家にやってきた。お見合いからトライアル、正式譲渡を経て、家族になった。
保護犬「夏芽」のものがたり 〜おかーちゃんの回想〜
夏芽は我が家の一員である。

保護犬としては3頭目、ダックスとしては4頭目の仔だ。


ある日、保護団体のサイトを見ていたら、ダックスフンドの里親を募集していた。

ガラケーで撮ったであろうと思われるたった1枚の小さな写真。

下を向いた悲しげな表情。

その顔が脳裏に焼き付いて離れない。

「2頭までなら飼える。」多頭飼いの経験が頭をもたげた。



翌日、その保護団体に連絡してトライアルを申し込んだ。

すでに我が家には、ダックスのハナがいた。

仲良くなれるだろうか。

ハナは、犬に興味を示さない。フレンドリーとは言い難い仔だ。



2011年12月3日の夜、夏芽は、やってきた。

連れてきたのはベテランの預かりさん。

すでにハナのブログをチェックしていたのだろう。

その人は、ここなら心配ないから、と夏芽を置いて帰って行った。




6畳の部屋にブリーダー犬が数十頭。ダックスは3頭、あとは人気のチワワ。

これが夏芽のいた環境。なでてもらうのが大好きな仔。でも順番は回ってこない。

ブリーダー崩壊で保護団体が何回か入った時、夏芽はいつも一番最後に近寄って来たという。

「なででくれる?」と目で訴えながら。




「まずはきれいにしなきゃ。」

マラセチアで体がべたついている夏芽をトリミングに連れて行った。

迎えに行き、トリマーさんから開口一番に言われたこと。

「普通、保護犬ってキレイにして渡されませんか?この仔、ベトベトで洗うのが大変でしたよ。」


料金は高いけど、上手なのを知っているから連れて行ったのに。

確かにここは自由が丘の高級トリミングサロン。保護犬なんて来ないのかもしれない。

IMG_7689-360.jpg

リボンをつけて帰ってきた夏芽は、三角の目をしている。汚いって言われて傷ついたのだろう。





キレイになったら次はドッグランデビューだね。

体重が6キロを軽く超えている夏芽は、歩くのがやっと。

生まれてから8年間、部屋から出たことがなかったので散歩の仕方を知らないのだ。

IMG_7745rg360.jpg

それでも外は気持ちいいのだろう。見るもの全てが珍しいらしい。





楽しいことばかりじゃないのよ。健康診断もしなきゃね。

獣医さんに連れて行ったら、歯石が糊の役目をして歯が保たれている状態だという。

避妊手術のついでに歯を抜きましょうということになった。


予約の日、朝早く夏芽を獣医さんに連れて行った。手術は午後からだ。と、昼過ぎに電話がかかってきた。

「本当にお腹を開けていいんですか?」


保護団体さんは、夏芽の治療履歴についてブリーダーに確認済みだ。

私は「はい、お願いします。手術してください。」と何の迷いもなく答えた。


夕方になった。夏芽を迎えに行く時間だ。

診察室に入り、私の顔を見ると獣医さんは言った。

「どこにも子宮が見当たりません。摘出済みのようです。

それから、手術のあとを溶けない糸で結んでありますね。お腹の中に糸が残っています。

なんとかしようとしたのですが、肉に食い込んでいる糸は取りきれませんでした。

10年以上前でしたら、まだわかりますけど、今時こんな糸を使う獣医はいませんよ。

これが原因で病気になって訴訟を起こしたら間違いなく勝てますよ。」


先生は、お腹から取り出した糸を見せてくれた。


「歯は、かなりひどい状態です。上顎から鼻に向かって穴が開いています。

ぐらついている歯だけは抜きましたが、いずれ全部抜くことになるかもしれませんね。」




この仔は、一体どんな風に扱われてきたのか。犬も猫も人間も大好きなおとなしい仔なのに。




以前の名前は「どじょう」 


黒くて長い胴だから?

名前を考えるのが面倒だったから?

番号の代わりに適当に付けた?




数ヶ月が経ち、夏芽はダイエットに成功して適正体重になった。

ドッグランで走ることも覚えた。

ハナを撫でていると割り込んでくるようになった。

やっと自分を主張できるようになったんだね。

安心したのもつかの間、喉の腫れものがアッと言う間に大きくなってきた。



夏芽は甲状腺癌だった。しかも場所がよくない。全部摘出できるかどうかわからない。

再発の可能性もある。

預かりさんに相談すると、外科手術が上手な先生を知っているという。

やってみるしかない。手術しなかったら命はないのだから。選択肢はなかった。



「1ミリ単位の手術でしたよ。腫瘍は全部摘出できたと思います。

でも再発の可能性はゼロではありません。1年は様子を見ないといけませんね。」


それからは、夏芽の喉を触るのが日課になった。

マラセチアは相変わらず。いつも体を掻き、皮膚が赤くなっている。

一生薬を飲み続けないといけないのだろうか。



手術から1年が経った。癌は再発していない。

喜んだのもつかの間、2016年1月1日、夏芽は突然後ろ脚を引きずり出した。

「感覚がないんだ・・・」脚を触っても反応がない。ヘルニアだ。

お正月で獣医さんはどこもお休み。どうしよう・・・


手術はしたくない。他に治療法はないのだろうか。

正月休みだったおかげで、色々と調べることができた。


「鍼治療をしてみよう」

ホリスティック医療をしている女医さんの病院を見つけた。

家から車で片道2時間、治るまで何度も通った。

完治はしなかったけど、夏芽は歩けるようになった。



一年半が経過してヘルニアが再発。まだ脚は少し動いている。

急いで鍼の予約を取った。あと少しで誕生日という暑い夏の日だった。



夏芽は毎年、少しずつ歯を抜いた。その度に全身麻酔をかけて入院。

全部抜き終わったのは1年前。顎は溶けかかっていた。

「顎を強く握らないでください。骨が弱くなっているので折れる可能性があります。

トリマーさんにも伝えてくださいね。」

すっかりお馴染みになった先生は、退院の時にそう話した。



次は何が起こるのだろうか。治療よりも予防を考えなきゃいけない。

友人がくれた癒しフェアのチケットが目に入った。

マイナスイオンが出る首輪。波動が変わるグッズ。エネルギーが入っている水。

買ってきたのは全部夏芽のもの。生きて欲しい。少しでも長く。



そして14回目の誕生日。

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来た時に三角だった目はまん丸になった。

悲しげだった顔の面影はない。


「夏ちゃん、幸せ?」たまに聞いてみる。


厳命を下しているのはひとつだけ。

「20歳まで生きること!」


生まれてからうちに来るまでずっと撫でてもらえなかったんだから、最低でもその分は取り戻そうね。

いっぱいナデナデするからね。8年分撫でるからね。約束だよ。

寝ている時間が多くなった夏芽を見ながらつぶやいた。

「長生きしてね。」
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