
雨のあと、お散歩に行ったら小川が出来ていたの。
のぞいたら、ワンがいるじゃない。
ご挨拶しないといけないわね。
「こんにちは。わたち、夏芽。あなたはだあれ?」
ハナちゃんは嫌な予感がしたんだ。
すべてのワンは自分に会いに来ていると信じて疑わない夏芽ちゃん、水に写ったワンに向かって行ったんだ。
「夏芽ちゃん!水に入ったらダメだよ!」
ハナちゃんの叫びもむなしく、夏芽ちゃんは進んで行った。
いつもなら、ここで悲鳴を上げるのはおかーちゃんだけど、今日は違った。
「うわ〜〜〜! 夏芽〜〜〜! 水遊びにはまだ早いよぉ〜〜! 泥だらけになるよぉ〜!」
叫び声を上げたのは、おとーちゃんだ。
何故か今日は冷静なおかーちゃん、あきらめ顔で言った。
「もう、入っちゃったんだから仕方ないわよ。足の長いワンだったらいいけど、ダックスはお腹までドロドロよ。この子は超マイペースだし、何を言ってもやりたいようにしかやらないんだから、ほっときましょ」
「あら、おかーちゃん、だいぶ悟ったわね」
お水は冷たかった。夏芽ちゃんは一歩入っただけで固まった。
動かない夏芽ちゃんを引き上げ、抱っこして家に連れて帰ったのはおとーちゃんである。
「コートがドロドロだあ」
「わたちもドロドロ。おとーちゃんとおそろい♡」
夏芽ちゃんが玄関からお風呂場に直行させられたのは言うまでもない。
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